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遠州掛塚(砂町)で明治から昭和40年頃まで、刳り物や挽き物などの木工製品を製作していた「くりものや」 2017年秋、二人の三代目により、くりものやが復活しました。

掛塚生まれの大鋸で丸太を挽くプロジェクト(その1)

大鋸というのは、機械製材が発達する以前に、木挽(こびき)と呼ばれる職業の人たちが丸太から板や角材を挽くのに使った鋸のこと。
「おが」と読みます。「おがくず」の語源でもあります。



江戸から明治にかけて、主に江戸に向けて木材を出荷する湊町であった掛塚には100人を超える木挽がいて、大鋸を作る鍛冶屋さんも10軒ほどあったそうです。掛塚の鋸鍛冶が作った大鋸は、地元だけでなく三河や甲州でも使われ「掛塚鋸」と呼ばれるブランドだったと言われています。

掛塚の木挽の一人であった、ひいおじいさんの政蔵が使っていた大鋸は、地元の郷土資料館に展示されているので、いつでもガラスケース越しに見ることはできるのですが、もっと近くで見てみたい!見るだけじゃなくて手元に置いておきたい!実際に丸太を切ってみたい!という気持ちは募るばかり。でも「返して!」というわけにもいかないじゃないですか(笑)
そこで、もうどこで作られた大鋸でもいいから欲しい(笑)とネットで探していたところ、栃木県の骨董屋さんにこれがあったんですよ!

「上」にカギのマークの刻印は、掛塚の鋸鍛冶のひとつ「上カギ」で作られた大鋸に間違いありません。迷わず(ほんとはちょっと迷ったw)ポチッて我が工房にやってきたというわけ。
まさか栃木にあるとはね〜。

で、当然目的は「丸太を挽くこと」なわけですよ。
試しに柔らかいツーバイフォー材を切ってみたけど、な〜んにも切れません(T-T)

まずは、目立てをしないと!

というわけでヤスリを買ってきまして、次にやることは…
ヤスリの柄をを作らないとね。くりものやさん、これは得意です(笑)
工房に転がっていた枇杷の枝を旋盤にセットして、



はい、できました。ヤスリをすげたら割れましたけど。
ちょっと焦って手抜きした(笑)
ヤスリを入れる穴が小さかったか。柔らかい木なら勝手に広がっちゃうんだけどね(^_^;

これだけ大きな鋸なので、ぐらつかないようにワークベンチにしっかり固定します。
昔の木挽が現場で目立てをするときは、下の写真のように丸太に刺したキリを刃に引っ掛けて安定させたそうですが、ガッチリ固定するに越したことはありません。


うん、これなら思いっきりヤスリをかけられます。


あれ?刃の三角の部分を包丁のように研ぐんじゃないの?と思うかもしれません。
実は、大鋸の刃は下の写真の三角の先っちょ、鳥のくちばしのような、ほ〜んの小さな部分。
ここが「ちょんがけ」と呼ばれる刃なんです。


下の図の左の絵のように、木の繊維と平行に挽いていく大鋸は、ノミやカンナのような刃で、削るように切っていくほうが都合がいいんですね。
大工さんが柱を切ったりする(繊維と直角に切る)鋸とは違うんですね。
ちょんがけのへこんだ部分は、食い込み過ぎを抑え、削くずをスムーズに押し出す、大工さんの2枚刃の鉋の裏刃のような役割なんだそうです。
30人以上の大工さんが縦に並んでひとつの丸太を削っているところを想像してもらえれば間違いない(?)かと(笑)
大鋸で挽いた板は、まるで鉋で仕上げたように表面がツルツルなんだそうですよ。


ということで一通り目立てができたので、手近にあった杉の角材を挽いてみました。



うーん、まだ切れない刃があるな〜。
それから、大鋸のほうが大きくて重たいから、切られる材料をがっしり固定しないと本来の性能は発揮できないな〜。固定してるワークベンチそのものがガタガタ動いちゃってるもの(笑)
などなど、まだまだ課題は残ります。

まぁ、一応カンナで削ったようなおがくずは出てますが。
もっと長い屑がシュルシュル出てこないとダメなんだろうな。




というわけで、掛塚生まれの大鋸で丸太を挽くプロジェクトは、まだまだ続きます。
たぶん(笑)


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