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遠州掛塚(砂町)で明治から昭和40年頃まで、刳り物や挽き物などの木工製品を製作していた「くりものや」 2017年秋、二人の三代目により、くりものやが復活しました。

杉と檜を攻略できた…かな?

杉と檜といえば、おそらく建築用の材料として最も多く流通している木材で、ノコギリで切ったり、鉋がけしたり、とっても加工しやすい(だからこそ日本建築には昔から使われているわけで…)のですが、木工旋盤には圧倒的に向かない材料なんですね。柔らかすぎてむしれたり、ガサガサボロボロになってしまう。
こんなふうに(T-T)


それなのにそれなのに、うちの父親以外にも「天竜の杉や檜で食器を作ってくれ」という人がいるのですよ。素人同然のくりものや三代目に向かって。これはもう「いじめ」ですよ(笑)

でもね、そこは素人の浅はかさ。なんとかなるんじゃないかと(笑)あきらめずに少しずつ練習を続けてきまして、この間の「こんぱち」なんか、まぁまぁうまくできちゃったもんだから、

調子に乗って、コップ?ぐい呑?に挑戦してやろうじゃないかと(笑)
先週はすべすべの手触りで作れるようになったものの、杉も檜も仕上げの段階で砕け飛びました(T-T)

そして今週再挑戦の結果
なんとか最後まで壊れずにキレイに仕上がりましたよ。
左が檜、右が杉です。


で、専門家による鑑定(?)です。
別になみなみと注がなくてもよさそうなもんですが(笑)
杉は樽酒の、檜は升酒のいい香りだそうです。
仕上がり具合は全然関係ないじゃんねぇ?

杉や檜を削るときは、刃をこまめに研いで常に切れる状態にすることと、堅木よりも高速で回してやる(刃の切れがよくなったのと同じ効果がある)必要があります。でも速度が速い分、ちょっと気を抜くと(つーか、「何で?」ってことも多い)深い傷が入ったり、砕けて飛んで行ったりします。
うつわ作り教室で「材料が飛ぶことがあるので注意しましょう」って教わったときには、「そんなことあるの?」程度にしか考えなかったけど、今や慣れたもの(?)です。軽いからね、飛んでもそんなに怖くないし。

杉の木屑はこんな感じ。鰹節削りのような細か〜い屑です。ほとんど粉のような。


これは檜の木屑。杉に比べれば多少はつながった木屑も見られますが、大半は削るというより「ちぎる」とか「むしる」という表現のほうが合ってる。表面を滑らかにするには、刃を当たるか当たらないかの状態にして、細かい粉を出しながら削っていきます。


対して、こちらは削りやすい木の代表、工房の横の枇杷の木です。
こんなふうに、糸のような木屑が長〜くつながってシュルシュルと出るのが木工旋盤の醍醐味なんですねー。それが上手く削れてる証拠。こういう木屑が出れば仕上がりもきれい。


ペーパーがけしてないのにツルツルテカテカです。
刃物だけで光沢のある滑らかな肌を作れるのが一番いいんです。
できるだけサンドペーパーは使いたくない。


ちなみに、ペーパーがけしたもの(上)と刃物だけで仕上げたもの(下)の比較がこちら。
わかりますかねー?艶が全然違うでしょ?
手触りは同じように滑らかでも、その滑らかさは雲泥の差なのです!(断言w)
できるだけ、こういう木を使ってテッカテカのものを作りたいのが正直な気持ちです。


でもね、そうは言っても杉や檜にも挑戦し続けたいんですよね。
天竜の山は昔から杉や檜の美林が広がっていて、その恵みで掛塚湊も繁栄したわけなので。

先日参加した「天竜川流域応援団 セミナー」でも
  • 遠州地域は天竜川の水のおかげで安定した暮らし、様々な産業が発展する礎になっている
  • 水を生み出しているのが天竜川と流域の森林
  • 林業は衰退し、森は荒れている
  • 地元材の利用を促進し、森を守ろう
というのがテーマでした。



天竜川の近くで生まれ育った者として、やっぱり天竜の杉と檜は外せないだよねー。
難しいけど頑張ってみるでね。
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