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遠州掛塚(砂町)で明治から昭和40年頃まで、刳り物や挽き物などの木工製品を製作していた「くりものや」 2017年秋、二人の三代目により、くりものやが復活しました。

樹齢150年の杉

実はくりものやさん、貴重な木材を入手していたんです。

樹齢150年の天竜杉。おそらく植林されたものではなく、自然林で育ったものです。
こんなに目の詰まった杉の板は見たことがありません。この部分だけで60本くらいの木目が見えます。

「杉や檜で食器を」という話を持ってきてくれた方が、浜松の製材界(政財界ではないw)の大御所に頼んで集めてくれた杉や檜の板や角材のひとつとして、工房がクレーンで設置されたのと同じ日に、くりものやに届きました。
もったいなくて、使わずに温存しておいたんですけどね、

ガーン!
割れました(T-T)

さらに割れが進行したら使える部分がなくなっちゃいます。かといって食器には使えません。
どうしようかな?と考えていると、修ちゃんから「ランプシェードにしてみたら?」とアドバイス。

ということで、作ってみました。杉の割にはシュルシュル挽けます。


木目が美しいでしょ?
鉛筆で落書きしたような黒い模様は「スポルテッド」です。

スポルテッドとは
樹木の亀裂などから雨水が染み込んだ際に、内部にカビや細菌などが繁殖して黒く筋状に変色して出来た造形的に美しい模様
家具・木工用語辞典より

この写真は、まだ作業途中のものなんです。
この後起きるであろうことを想定して、形があるうちに撮影しておきました(笑)

そう。この厚さではランプの光が透けないんです。
はい、ここからまだまだ内側を削りこみますよ。
刃を当てると「ピィーン」というヤバい音がします。
縁のほうはたわんでいるのがわかります。平らに削ってるつもりでも、波打ったような刃の跡がつきます。
そして、その瞬間がやってきました。

もともと割れてるんだからこうなるのは当然ですね(笑)
内側をなめらかに仕上げるのもあきらめて、作業完了にしました。
割れた部分は、ごはんつぶを練った糊で貼り付けました。
最中の皮のような軽さになりましたよ。木じゃないみたいです(笑)

まぁでも、どんだけ目が詰まっていても杉は杉ですね〜。
堅木のようにはきれいに削れません。
ホームセンターで売ってる材に比べたら全然マシですけどね。


これは、ホームセンターの角材でコップの内側を削っている途中の写真ですけど、物を作っているのか、壊しているのかわかりません(笑)

最終的にはこうなるんですが、上の状態から、こうなることが自分でも信じられません。
木工旋盤の初心者で、これだけ杉を削っている人は他にはいないんじゃないでしょうか(笑)
いい経験をしているな〜とは感じます。

それにしても、150年以上の昔といえば、掛塚湊がまだ木材の町として栄えていた時代。
曽祖父の政蔵さんが木挽として活躍していた頃です。
その時代から育ってきた天竜の杉に刃を当てていると、材料を通して当時の掛塚湊の空気に触れているような気がしてきます。
残った材料も大事に使いたいと思います。
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